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女性とアーユルヴェーダ #3アーユルヴェーダと女性疾患
2018.10.03

#3 アーユルヴェーダと女性疾患


性の一生は、身体の変化が波のように押し寄せ、揺れ動いてきます。

その中で、多くの女性の悩みである女性疾患の問題が解決すれば、どんなに毎日が快適に過ごせることでしょう。

今回は、女性特有の疾患について鍼灸師あん摩マッサージ指圧師及びアーユルヴェーダセラピストである小川ゆり先生にお話を伺いました。

<食の観点からみる女性疾患>

私たちの命を繋いできた人類は、約600万年も前から現在まで天変地異の中で常に飢えと闘いながらも生き延びてきました。

しかし、現代の日本は過去に例をみることのない「飽食」の時代。一日一人当たりおにぎり2個分の食糧が捨てられているといいます。

このような過剰なほど恵まれた環境にありながらも、実は私たちの身体はとても飢えています。

「あなたの食べたもので心と身体が作られる」 という言葉通り、アーユルヴェーダでは口から体内に入った食べ物は、バトンリレーのように次々順番に細胞・組織(ダートゥ)を作ると考えます。

【ダートゥを作る順番】

血漿・リンパ液(ラサ)→血液(ラクタ)→筋肉(マーンサ)→脂肪(メーダス)→骨(アスティ)→骨髄・神経(マッジャ)→生殖組織(シュクラ)

このように、食べたものは生殖組織(シュクラ)までの身体の組織を作り、そして最終的に生きる力(オージャス・生命エネルギー)まで作ると説かれています。

しかし最近では、食べ物の性質によって生殖組織(シュクラ)まで栄養がたどりつきにくい例が多くあります。

たとえば、添加物や保存料など化学物質を多量に含んでいるものや、調理されて長時間経過しているものは、体内で消化しにくく、ダートゥを作るまでの栄養にならないため、生殖組織(シュクラ)である子宮や卵巣、卵子が正常に育まれないことで、妊娠がしにくい状態になる可能性があります。

そして、オージャス・生命エネルギーまで作られない食生活では、気力活力が枯渇し、免疫力も低下して、様々な症状を引き起こしていきます。

オージャス・生命エネルギーまで作るためには、エネルギー溢れる食材を食べなければなりません。

そのためには、大地のエネルギーが満ちている新鮮な状態の野菜や果物、消化を助けたり体調を調えるハーブやスパイスを取り入れた作り立ての食事を摂る習慣を持つことです。

中医学では、月経痛、子宮内膜症、子宮筋腫など、女性の悩みに関係する問題は流れの滞ってしまった血液・瘀血が引き起こすものと捉えています。

その原因として、暴飲暴食、身体の冷え、体力気力の低下、精神的ストレスなどがあり、そのなかでも食べ物の影響はとても大きいのです。

たとえば、揚げ物・肉類など脂っぽい食べ物や、チョコレートやお菓子など甘いものや、味の濃いものは、血液を汚してドロドロにします。

さらに、アイスクリームや冷たいビールやジュースなどは、血液を汚すだけでなく身体を冷やして血の巡りを悪くします。

このような食生活からの影響により、血液が流れが滞って酸化してさびた瘀血となって黒くなったり、血液がそのまま固まってしまった状態が、経血が黒くなったり、レバーのような塊が混じったりするという身体のサインとして表れてくるのです。

 月経の前の子宮は、子宮内膜という赤ちゃんを育てるためのベッドを作るために、誰もが血液を蓄えた正常な瘀血の状態です。

 妊娠をしないと不要になった子宮内膜は月経として排出され、その時に、血液の状態がドロドロで汚れていると病的な瘀血となり、それを絞り出そうとして月経痛が起こったり、うまく排出されずに子宮内膜症を引き起こしたりします。

子宮に溜まる血液がドロドロで汚い状態で妊娠をした場合、赤ちゃんはお母さんの血液の汚れを吸収して育っていくため、様々な悪影響を及ぼします。

妊娠を希望される場合は、赤ちゃんにとっても血液の状態はとても重要です。

 私の治療院では、妊娠を希望される方には母体の血液をきれいにして、赤ちゃんのベッドをきれいにする子宮デトックスも視野に入れた施術をしています。

<女性が長寿の理由>

皆さんは、女性の寿命が男性より長いのはどうしてなのか、と考えたことはありますか?

日本の平均寿命では現在は約6歳ほど男性より女性のほうが長く、世界中をみても女性は男性より4~6歳寿命が長いのは共通の事実です。

女性が長寿である理由の一つとして、初潮から閉経まで、約1カ月間かけて子宮に溜まった血液と有害物質とを、定期的に排出する月経という習慣的なデトックスが行なわれるからである、という説があります。

月経前症候群(PMS)でのイライラ・情緒不安定・強い眠気・異常な食欲・胸が張るなどの症状や、つらい月経痛に悩まされている場合は、月に一度のデトックスを快適に過ごすためにも、まずは食生活を改善していきましょう。

アーユルヴェーダでは、様々な症状の治療として毒素を体外へ排出させるデトックスが行なわれますが、このアーユルヴェーダのデトックスによる養生には、性別を問わず健康で長生きをするための智慧が込められているのです。

<食べることの意識を変える>

食べ物が薬と同じように身体を養うという意味の「医食同源」という言葉がありますが、日々何気なく口にするものを気を付けるだけでも、不思議と心身は素直に応えてくれます。

アーユルヴェーダや中医学の教えの素晴らしさは、食べ物や生活習慣などから身体を変えていく、というプロセスが確立しているところです。

女性疾患にお悩みの方は、瘀血を改善するためにも、まずデトックスをして血液の浄化を心掛けるとともに、生殖組織(シュクラ)が栄養されるような食生活をするなどの根本的なところから生活を見直していくことをおすすめします。

次回は、「アーユルヴェーダによるデトックスと心の変化」についてお話いたします。

プロフィール

小川ゆり Ten治療院院長

2006年、名古屋鍼灸学校卒業。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師免許取得後、市内の治療院にて勤務。渡印し、インドのアーユルヴェーダクリニックにて研修を受ける。帰国後、Ten治療院院長。

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