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Massage Today第23回 30分間のマッサージは高齢者に十分な時間か?
2017.09.15


By Sharon Puszko, PhD, LMT

訳:医道の日本社編集部 Reprinted with permission from Vol.17, Issue 08(August, 2017)of Massage Today. Massage Today Vol.17, Issue 08(August, 2017)より許諾を受けて、Sharon Puszko氏の記事を転載しています。Massage Today公式サイトもご参照ください。www.massagetoday.com

 

「30分間のマッサージは高齢者に十分な時間か?」

これはよく尋ねられる質問である。

これに答える場合、私はいつも1~2時間のマッサージは、1960年代に米国で発明されたという事実を強調している。私は以下の3つの理由から30分間のマッサージを勧めている。

第1の理由として、マッサージは高齢者の多くで心臓と感覚神経系に深い影響を及ぼすためである。60分間のマッサージは神経系、心臓、そして、おそらく腎臓に負担をかけすぎてしまい、悪影響をもたらす可能性がある。高齢者の腎臓の糸球体の多くが喪失しているために、すでに悪化している。つまり、マッサージ中の血流量の増加は有害となりうる。

第2の理由は、患者によいことをしたければ、十分に注意しなければならないためである。あらゆる動きは目的を持つべきであり、注意散漫になってはならない。30分より長く集中できるのはチェス・チャンピオンとコンサート・ピアニストのような人達ぐらいであるため、治療家にとっては1時間のマッサージよりも短いマッサージのほうが集中できるだろう。

第3の理由は、実用的な性質による。週1回30分間のマッサージが可能な人を見つけるのは2時間のマッサージよりも簡単である。高齢者センターや老人ホームでは30分間のマッサージのほうが予定を組みやすいことは分かるだろう。定期的に週2回1時間のマッサージを行う患者で、特定の問題が悪化するなら、週2回の30分間マッサージに変えてみるとよい。

マッサージの概念

難しいのは、マッサージに関する概念を変えることである。レクリエーションとしてのマッサージから脱却するのは、治療家次第である。注意を本当に必要とする部位に施術を行っている限り、触れていない部位があってもよい。

最初に考慮することは姿勢である。脊柱後弯を抱える患者を除いて、高齢患者に最も快適な姿勢は仰向けである。足部、脚、股関節、腰椎、胸部、肩、頚部、腕など、ほとんどすべての部位は背臥位で施術でき、施術時間も短くなる。

背部への施術は、患者を真っすぐに座らせることで行う。必要なら、患者を側臥位にもしてもよい。

マッサージの構造を考慮する。状況説明するために、5分間の導入的マッサージから始める。落ち着かせるストローク、深呼吸をさせる、優しく揺り動かす、などを急がずに行い、準備をしていく。それから、足部、脚、肩、頚部など、さまざまな施術に進む。繰り返し言うが、急がずに行うことだ。

施術の質が下がることがあるため、会話は長くならないように留める。治療において最も重要な要素は集中である。集中は施術者のエネルギーを患者の身体につなげる。治療として優れたマッサージは、催眠の性質を持っており、マッサージされた身体は活力が満ちる。

締めくくりのために約5分間残す。

ゆっくりとした解放は痛みと不快感をなくし、リフレッシュさせてくれる。そして、患者はすばらしい気分で世界に再会できる。

プロフィール

Sharon PuszkoはDay-Break Geriatric Massage Instituteの経営者、所長、教育者である。連絡先はspuszko@juno.com、またはwww.daybreak-massage.com