CIANA

マッサージ情報関連サイト「シアナ」

MAIL MAGAZINE

記事&ニュース

Massage Today第21回 円回内筋損傷の治療
Ben Benjamin, PhD

2017.07.12


訳:医道の日本社編集部 Reprinted with permission from Vol.17, Issue 05(May, 2017)of Massage Today. Massage Today Vol.17, Issue 05(May, 2017)より許諾を受けて、Ben Benjamin氏の記事を転載しています。Massage Today公式サイトもご参照ください。www.massagetoday.com

 

円回内筋の解剖

円回内筋は回外筋よりも大きく、前腕の回内(手掌を下に向ける)に関与する。円回内筋は、尺骨の鉤状突起から起始する小さな深頭(尺骨頭)と、上腕骨の内側上顆稜と内側上顆から起始する大きな浅頭(上腕頭)を持つ。

1●Pronator-Teres

また内側上顆からは、橈側手根屈筋と尺側手根屈筋との共通腱が起きる。円回内筋は、橈骨の外側面中央に停止する(回外筋の停止部よりも遠位)。円回内筋は、ネジ回しなどの手工具を反復的に使用することで損傷する場合がある。回内は、右手ではネジをゆるめ、左手ではネジを締めることになる。ラケットを使うスポーツでは、頭上の運動でボールに回転を与えようとして痛める場合もある。

 

評価テスト

円回内筋の損傷を評価するために、回内に抵抗を加えたテストを行う。患者に向き合い、患者の肘を90度屈曲させる。患者の母指は天井に向けてもらう(前腕中間位)。治療者は手指を組んで、患者の手関節を握る。患者に手掌を床に向けてもらい(前腕回内)、治療者は、運動が発生しないように等しい、反対方向への抵抗の力をかける。このテストは円回内筋にストレスを加える。円回内筋の組織が傷んでいれば、肘の内側で痛みを生じさせる。損傷が筋腹や橈骨の停止部にあれば、前腕の腹側面で痛みを生じさせる。

2●検査

徒手抵抗検査

 

フリクション治療

円回内筋では、内側上顆に付く屈筋腱を負傷する場合がある。この傷害部位の治療をゴルフ肘の記事で説明した(Massage Today、2016年2月号)。傷害を起こす可能性のある部位として、橈骨の外側面中央にある円回内筋の停止部(回外筋停止部より遠位)もある。

円回内筋の停止部を治療するために、治療者は患者の前腕中央部(腹側面)の遠位を把持する。次に、治療者は母指を患者の尺骨に配置し、上内側の方向へ治療者の手指を動かして摩擦を行う(フリクション・テクニック)。

3●フリクションテクニック

フリクション・テクニック

 

患者が少し心地よくなれば、片側のみについたダンベル(Premium Forearm Exerciser)を使った一連の回内エクササイズを始めてもらう。手をダンベルの重り部分に近づけるほど、エクササイズは行いやすくなる。患者の力が強くなれば、重り部分からさらに離して持ってもらう。450gのダンベルを用いて10回3セットで始めてもらう。それから3.5kg~4.5kgまで増やしていく。