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Massage Today第18回 患者の皮膚が喜ぶキャリアオイルとは

Nyssa Hanger

2017.03.24

訳:医道の日本社編集部
Reprinted with permission from Vol.17, Issue 03(March, 2017)of Massage Today. Massage Today Vol.17, Issue 03(March, 2017)より許諾を受けて、Nyssa Hanger氏の記事を転載しています。Massage Today公式サイトもご参照ください。 www.massagetoday.com


前回の記事(http://www.massagetoday.com/mpacms/mt/article.php?id=15264)で、私は精油を希釈することが重要な理由と、あなた自身と患者の安全のためにどうすれば容易に希釈できるかについて書いた。多様で安全な精油は、心ゆくまで創造的にブレンドでき、素晴らしいシングルノートとマルチノートを提供する。

精油(エッセンシャルオイル)の種類は、多岐にわたる。マッサージ・アロマテラピストが使用する精油の選択肢は、多すぎないほうがよいだろう。そのために、今回は施術でカスタマイズできる別の要素、キャリアオイルのブレンドを紹介する。

 

キャリアオイル

キャリアオイル(精油とは異なる)は、植物由来の油性基材で構成されおり、マッサージで用いられるのも、このキャリアオイルである。アロマテラピーでは、キャリアオイルは経皮的、または局所的に精油を皮膚に適用するために用いられる。また、多くのマッサージ師がマッサージ治療の一部として皮膚にベースオイルを用いるため、アロマテラピーをセッションに統合しやすい。Massage Today2016年11月号(http://www.massagetoday.com/mpacms/mt/article.php?id=15245)では、あなたのマッサージ・ブレンドに安全に加えることができて、セッションの価値と効果を増加させる3つの精油を提案した。患者に直接触れる精油が、施術者と患者にとって安全であるか確認するのと同様に、キャリアオイルにも注意を払わなければならない。

 

成分

何年も前、私は、すべてのマッサージの施術を、オイルを使ったマッサージに切り替えた。その際に、私は利用するマッサージ・クリームとローションの成分に注意するようになったが、それらのほとんどに、理解できない、発音できない多くの成分が入っていた。スキンケアや化粧に用いられている商品には、有毒な発癌性物質が含まれている可能性があるという記事を読み、これらの物質を自分の手と患者にかなり適用していたことを考えると、もっと自信が持てるものを見つけたいと考えるようになった。

そして、何が入っているか分かり、1つの成分でできているオイルを試してみる必要性を理解した。クリームやローションの代わりにオイルを用いるなら、マッサージ・オイルに何が入っているか心配する必要がないことが分かったのだ。

 

ベース・オイル
ココナッツとアーモンド

長年にわたって、私のすべてのマッサージ・セッションのキャリアオイルとして分留ココナッツオイルを用いてきた。分留ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸とラベル付けされるように、料理に用いられるココナッツオイルに類似しているが、固形部分が取り除かれ、軽く、明瞭な、香りのないオイルに加工されている。

coconut isolated on white background

これは皮膚にとても浸透しやすい。私の患者の多くが、他の種類のオイルを用いるマッサージと比べて、「オイリー」に感じないとコメントしている。この軽さはスウェーデン式マッサージの滑走ストローク、ならびにゆっくりとした深部組織施術で用いる筋膜のストロークでうまく作用する1つの理由だろう。

私は深部施術でもローションよりオイルを好む。分留ココナッツオイルは、急速に吸収されるので、皮膚上層で心地よい引っかかりを感じながら施術することができる。潤滑油を用いずに施術する際に、患者が感じる違和感はほとんどない。その利点に加え、分留ココナッツオイルは人気のキャリアオイルの多くと違い、いやな臭いはしないし、シーツに染みをつけない。しかし、これは万人に使えるオイルではないことを私は知ることになる。

10年間マッサージを行ってきて初めて、ココナッツオイルを用いることができない患者に出会った。そのような患者はいるのだ。アロマに敏感な患者のために香りがないローションやオイルを持っておく必要があるように、異なるオイルを必要とする患者のためにいくつかのベースオイルを持ちたいところである。

数ヶ月前、新しい患者が来て、ココナッツに対するアレルギーがあることを教えてくれた。これまでココナッツ・アレルギーを持つ人に会ったことはなかった。「すべての人に使える分留ココナッツオイル」という考えは、改めなければならなくなった。そのときは、幸運にも、アーモンドオイルを持ち合わせていたので、それを使うことでことなきを得た。アーモンドオイルはさらに重さがあり、少し粘着性を持っていることが分かった。皮膚に浸透するのが、ゆっくりで、それほどオイルを追加せずに済む。

アーモンド

 

ホホバオイル

分留ココナッツオイルは足部の施術では、軽すぎる。すべての治療家にこの問題があるわけではないが、私が足部で分留ココナッツオイルを用いると、しっくりこないのだ。足部の最下層の厚みとオイルの軽さに違和感があり、うまくいかない。

私はセッションでこの問題に直面し、「異なるオイルを試したい」と思った。そして、私のマッサージ室のツールボックスに加えることに決めた第3のオイルがホホバオイルである。ホホバオイルは、アーモンドやココナッツとは少し異なる。実際は植物ワックスで、ヒトの脂に似ており、毛穴がつまる原因になることもある。このために、私は通常、スキンケアやフェイストリートメントでホホバオイルをベースにすることは避けている。しかし、このオイルの濃度が、粗くなった踵の皮膚、硬くなった足裏、疲れた足趾で効くようである。臭いのリスクは低く、長期保存ができるのが特徴だ。一部の種類の皮膚で問題となる可能性があり、一般的なマッサージ・オイルで私が好むよりも少し重めであるため、このオイルを使うのは足部または毛深い部位のような皮膚である。

ホホバ

最近、私は通常のマッサージ・オイル(もちろんアレルギーがない患者用)を分留ココナッツオイルとアーモンドオイルの1:1のブレンドに切り替えた。それに、ラベンダー、フランキンセンス(乳香)、ミルラの精油のブレンドを30gにつき15滴加える。芳香は患者をリラックスさせ、オイルは筋肉の痛みを和らげる、そして私の両手は施術ができることに喜びを感じている。患者の足部に移る前に、ホホバオイルの瓶を手にする。足趾でさらに心遣いを必要とする場合、手で少しシアバターを温める。

ココナッツ、アーモンド、ホホバオイルは、各種の木の実と種から用いることができる多くのベースオイルの内の3つである。それらは、異なる量で別々に、または、一緒に用いて、最高の感触と機能になる。どのようなオイルの組み合せがあなたと患者にとって最善となるか試して見つけてほしい。そうすれば、あなたの両手と患者の身体につけるものに対して自信を持つことができる。利用可能なキャリアオイルの詳細については、Susan M. Parker著『Power of the Seed』をご確認いただきたい。

 

 

プロフィール

Nyssa Hanger(MA、LMT、RYT)

Nyssa Hanger(MA、LMT、RYT)はAtlantic Institute of Aromatherapyの第二世代のアロマテラピスト、アシスタントディレクター、インストラクターである。Nyssaはアロマテラピーのワークショップを教えて、アロマテラピー・トレーニング・プログラムで働き、他の施術者とともにプロフェッショナル・クラスを支援する。Nyssaは10年以上にわたり、マッサージとアロマテラピストを実践している。また、彼女の故郷フロリダ州タンパでUpward Spiral Center for Healing and Transformationを設立している。
詳しい情報について、www.atlanticinstitute.comまたはwww.upwardspiralcenter.comを参照。