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Massage Today
第17回 回外筋損傷について

Ben Benjamin, PhD

2017.02.28

訳:医道の日本社編集部 Reprinted with permission from Vol.17, Issue 02(February, 2017)of Massage Today. Massage Today Vol.17, Issue 02(February, 2017)より許諾を受けて、Ben Benjamin氏の記事を転載しています。Massage Today公式サイトもご参照ください。www.massagetoday.com

前腕の小さい筋肉「回外筋」に目を向けてみよう。回外筋は頻繁には負傷しないが、診る時に備えて学んでおきたい。 回外筋の解剖学 回外筋は1つの運動だけに関与する。名前が示すように、回外筋は前腕を回外させる、つまり手掌を上に向けさせる。右利きの人では、回外はネジを締める動作、左利きの人ではネジをゆるめる動作となる。ネジ回しを繰り返し使うと、この筋を容易に痛めてしまう。損傷の他の原因は、縫う動き、かき回す動き、ゴルフやラケットを使うスポーツで回外筋を固定する動き、などである。 [caption id="attachment_7795" align="alignleft" width="225"]回外筋 回外筋[/caption]   回外筋は、上腕骨外側上顆(短橈側手根伸筋と尺側手根伸筋の共通腱)、肘関節の外側側副靭帯、橈骨輪状靭帯、尺骨の隆起(回外筋稜)から起始する。そこから、回外筋は橈骨上部を曲がり、橈骨外側前面に停止する。 回外筋と上腕二頭筋の両方とも回外に関与するが、回外筋は特にゆっくりとした、抵抗のない回外に関与する。抵抗が増えれば、上腕二頭筋が次第に関わるようになる。肘関節が屈曲している状態で、上腕二頭筋は前腕を回外させる強力な筋肉になる。上腕二頭筋と回外筋が合わさった力は、回外を回内より強い動作にさせている。 評価テスト 回外筋の検査は、回外の抵抗運動を用いる。回外筋が負傷している場合、この検査は肘外側、時に前腕に痛みを生じる。立位になった患者に、肘を90度曲げてもらい、手掌を床に向ける(前腕回内)。あなたの両手指を組んで、患者の手関節周辺で握る。それから患者に天井に向けて前腕を回旋してもらう(前腕回外)。患者が腕を回そうとするとき、施術者は等しい、逆方向の力を適用して動かないようにする。上腕二頭筋を除外したければ、患者の腕を伸展させて、同じ検査を行う。この伸展位は、上腕二頭筋の力と力学的な優位性を弱める。 [caption id="attachment_7793" align="alignleft" width="290"]回外筋への徒手抵抗検査 回外筋への徒手抵抗検査[/caption]   治療 回外筋は、上腕骨外側上顆の伸筋腱付着部で損傷する場合がある。その場合、検査や触診で外側上顆に痛みが伴う。あるいは、橈骨の上部3分の1の付着部で損傷する場合もある。その付着部を摩擦するためには、肘から遠位の橈骨で、患者が痛みを感じている部分にあなたの指を置く。それから、あなたの母指を用いて、橈骨付着部に沿って、上方から下方へと摩擦する(フリクションテクニック)。 [caption id="attachment_7794" align="alignleft" width="254"]フリクションテクニック フリクションテクニック[/caption]   エクササイズ・セラピー 患者が少し良くなれば、一連の回外エクササイズを片側のみについたダンベル(Premium Forearm Exerciser)で始める。10回3セット、500グラムから始めて、最高5キロほどまで上げていく。この片側のみのダンベルは多くの損傷で役立つ。重り側の近くで握れば軽くなり、離れると重くなる。  

プロフィール

Ben E. Benjamin(PhD) 教育とスポーツ医学の博士号を持ち、Muscular Therapy Instituteを創設。45年以上にわたる開業歴があり、オーソペディック・マッサージ、アクティブ・アイソレーティッド・ストレッチング、マッサージ倫理に関するトピックスをアメリカ国内で教えている。著書、共著などに『Listen to Your Pain』『Are You Tense?』『Exercise Without Injury』『The Ethics of Touch』がある。オンラインセミナーで世界中のマッサージ師に対して継続教育を提供している。 http://www.benbenjamin.com/