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Massage Today 第12回  アロマテラピー・マッサージで快眠を促す

Nyssa Hanger, MA, LMT, RYTPhD

2016.08.29

アロマテラピー・マッサージで快眠を促す

By Nyssa Hanger, MA, LMT, RYTPhD

訳:編集部

Reprinted with permission from Vol.16, Issue 08(August, 2016)of Massage Today.Massage Today Vol.16, Issue 08(August, 2016)より許諾を受けて、Nyssa Hanger氏の記事を転載しています。Massage Today公式サイトもご参照ください。 www.massagetoday.com


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私が行う日々のマッサージ診療において、最も多い患者のストレス因子は、睡眠不足である。患者が十分な睡眠をとっていない場合、身体と精神を再充電する大きな機会を失っていることになる。

睡眠不足の副作用の一つは、日中疲れてしまうことだ。アロマテラピー教育者である私は、多くの生徒が日中の疲れに対して、バジル(Ocimum basilicum)、ローズマリー(Rosemarinus officinalis)、ペパーミント(Mentha piperita)のような刺激性の精油を選んでしまう傾向に気づいた。私が学生にいつも注意しているのは、疲労は睡眠不足の症状であり、ホリスティックなアロマテラピーの観点からは、個々の症状だけではなく日中の疲れの原因を治すことが重要だということだ。日中の疲労を治すコツは、刺激香を用いるといった手っ取り早い自然療法ではなく、身体が夜に本当に必要なものを得られる方法を探すことだ。

もちろん、マッサージ自体も健常な睡眠周期を促進できるが、アロマテラピーの要素を加えると治療を強化でき、患者がより良い睡眠をとるのに役立つ。私の場合、鎮静作用がある精油はマッサージで一番の選択肢となる。私のマッサージ用ブレンドオイルのほとんどは、鎮静作用がある精油を特徴とする。私のリストの最上位にあるのはラベンダー(Lavandula angustifolia)である。これには、多くのアロマテラピストとマッサージ師が同意するだろう。ラベンダーは長い間、治療室の内外で、リラックスと鎮静作用を期待するうえで頼りになる精油であった。ラベンダーには普遍的といってもよい魅力があり、最も安全なオイルの1つであり、抗炎症性、鎮痛性、鎮痙性といった薬用的利点がある。

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私は、ラベンダーには治療的な特性があるのと同様に、情動反応も誘発すると考える。私の母はマッサージ師、アロマテラピストだったため、子供のときからラベンダーの香りをよく知っていた。毎晩の入浴とたまに行うマッサージで、一番よく使ったのはラベンダーであった。私が受けた最初のアロマテラピー・マッサージは、水ぼうそうになったときで、母がラベンダーのマッサージ用ブレンドで傷を鎮静させてくれた。ラベンダーの精油を使ったアロマテラピー・マッサージを何回か行った後、ラベンダーは私にとって、気にかけられ、愛されていることを示す心休まる香りになった。そんな体験から、私はこのオイルのことが好きになった。こういった匂いとの学習性のつながりは、患者に対しても生み出せるものであり、快眠の手助けとなるだろう。

精油は、個々の特性を通して精神を鎮め、睡眠を促進するのに役立つだけでなく、家庭での治療にも利用できる。嗅覚と記憶は、脳の中でつながれ、精神状態を匂いと「組み合わせて」、後でその精神状態を思い出すのに用いることができる。これは「学習性匂い反応」と呼ばれる。治療室で匂いを患者に用いるとき、治療中に存在する快適さ、配慮、くつろぎの感情を匂いにつなげさせることになる。

私が、マッサージとアロマテラピーによる施術によって患者に快眠を促す場合、まずは、セッションで用いるブレンドを決める。これまで述べたように、ラベンダーは開始するうえで絶好の選択肢であるが、最も良いのは、ラベンダーを他のいくつかの匂いと組み合わせてユニークなブレンドをつくることだ。ラベンダーだけを用いた場合、生み出したい特定の反応の代わりに、患者の記憶がラベンダーに関する他の記憶を引き上げる可能性がある。特有の匂いになるほど、力強い反応を生み出す可能性が高くなってしまう。

個人に合わせた睡眠ブレンドを考えるときに、私が気に入っているオイルの一部を示す。

マヨラナ(Origanum marjorana

マヨラナにはラベンダーより強力な鎮静作用があるが、シソ科のマヨラナは薬草性のアロマがたくさんある。ラベンダーを混ぜ合わせることで、柔らかく気持ち良い匂いを持った非常に効果的な鎮静作用のブレンドとなる。

 

ビャクダン(Santalum album

ビャクダンは非常に奥深い匂いがあり、ラベンダーともよく混ざる。ビャクダンは集中力が必要な患者、特に精神を切り離すのが難しい患者に最も有効かもしれない。

 

ジャーマン・カモミール(Matricaria recutitaまたはMatricaria chamomilla

この濃青色の花のオイルの深い匂いは、鎮静作用があるブレンドに抗炎症の特性をもたらす。

 

ローマン・カモミール(Anthemis nobilisまたはChamaemelum nobile

ジャーマン・カモミールと似た特性を共有するが、こちらはより鎮痙性である。混ぜ合わせると、鎮静効果もある素晴らしい万能マッサージ・ブレンドとなる。

 

クラリー・セージ(Salvia sclarea

この明るく、時に力強い匂いを持つクラリー・セージは抑うつで苦しむ患者に有効である。月経の問題で苦しむ女性患者の場合に頼る精油でもある。

 

プチグレン油(Citrus aurantium

このオイルはオレンジの木の葉から抽出され、オレンジの花から抽出されるずっと高価なネロリ油(Citrus aurantium)の代わりとして良い選択肢となる。主要な化学成分であるリナロールが共通しているため、ラベンダーに類似した効果がある。

私のお気に入りの睡眠用のブレンドで最初に用いるのは、ラベンダーとマヨラナを1対1の比率で混ぜたブレンドである。これは単純であり、患者の多くでうまく作用するようだ。難しい症状や患者が個人に合わせた異なるブレンドを望む場合、私は上述したオイルに目を向ける。患者は通常、精油を混合しているとき、その場にいる。多くの患者は特別なブレンドをつくってくれたことに感謝してくれるはずだ。

まず、選んだ精油のブレンドをつくり、それから選択すべきキャリアオイルで薄める。

通常のキャリアオイルは椰子油であるが、他にもホホバ油やアーモンド油など多くある。

セッションの間に作ったブレンドを用いる。軽擦法、優しい運動、あるいはエナジーワークのようなリラックスさせるテクニックで、マッサージをデザインする。

それから、患者に使ったブレンドの一部を家に持ち帰り、就寝前に用いるように勧める。

患者には睡眠を促す他のテクニックにも併用するのが最善であると伝える。他にも、就寝時間近くにはカフェインや砂糖を減らす、もしくはとらない、電子装置をシャットダウンする、眠る前の軽いストレッチ、軽い読書、マインドフルネスのリラックス法も役立つことを伝える。眠る前にお風呂でこのブレンドを楽しんでもらってもよいだろう。

患者の順守や病態によっては、匂いとくつろぎを深くつなげるのに数回のセッションが必要かもしれない。あなたの患者が眠気を覚える匂いを好きになっても驚くことはない。私は多くの患者から毎晩使っていると報告を受けている。患者は、最も基本的なニーズの1つ、睡眠を助けてくれたことに深く感謝し、マッサージセッションで使った患者用のアロマブレンドの一部を家に持ち帰ることを喜んでくれる。

プロフィール

Nyssa Hanger(MA、LMT、 RY)

Nyssa Hanger(MA、LMT、 RY)はAtlantic Institute of Aromatherapyの第二世代アロマテラピスト、アシスタントディレクター、インストラクターである。Hangerはアロマテラピーのワークショップを教えており、Aromatherapy Practitioner Training Programで働き、他の施術者と共に上級プロクラスを支援する。Hangerはマッサージ師・アロマセラピストを10年以上も行ってきた。Nyssa Hangerは故郷のフロリダ州タンパにUpward Spiral Center for Healing and Transformation を設立した。詳しい情報はwww.atlanticinstitute.comまたはwww.upwardspiralcenter.com